家を建てる時に『家相』を気にする人は多いです。大きな買い物ですし、やはりこういうのにもこだわってたほうが良い気がするのでしょう。
少し話は変わりますがいつも朝のニュースで、血液型占いとか星座占いを取り上げられていますが毎日それを見て一喜一憂していますか?
またラッキーアイテムとか書かれていますが、そのラッキーアイテムとか持つ予定も無かったのに持って出勤したり外出したりしていますか?
信じるのは全く問題ないですが、毎日それに振り回されると疲れてしまうかもしれませんね。
そもそも、血液型の4種類だけに分類して占う事が無理でしょう。
これと同じで家相自体は昔の占いの一種と考えられています。
私自身、占いを信じない合理的な考えがベースとなっていますので、家相についてもそういった考えをメインに解説させていただきます。
でも、やっぱり家相はよく分からないけど気持ち的に大切にしたいし、せっかくなら意識した間取りにしたいな!と言う人もおられると思います。
そういった考えも私自身は尊重したいですので、実際に家相を気にして作ったプランで家を建てたこともあります。
では、そもそも家相はどのようにして生まれたのでしょうか。
家相を気にしなくても良い?
家相は、はるか大昔の奈良時代に中国から伝わったとされています。
その当時の自然環境や日当たり、衛生面で考えられて作られたのが家相と言われています。
一番有名なのが「鬼門」「裏鬼」という言葉で、聞いたことがある人も多いでしょう。
この「鬼門」「裏鬼門」に、トイレや水回りを置いてはいけないと言われています。
では、なぜ「鬼門」「裏鬼門」に水回りを置いたらいけないのでしょうか?
これは、この家相という考えが生まれた大昔の奈良時代や、その当時の中国の事を考えると理解できますし、その当時は理にかなっていたことが分かります。
東を「鬼門」、南西を「裏鬼門」と呼びますが、この家相が生まれた中国の場所では北東から、シベリアやオホーツク海などの冷たい冷気が冬には吹き込んできていました。
また、当時は万里の長城とかもありましたが、北側から匈奴と言う部族が侵入して来たので、北側を守らなければならないと考えられたと言われたり諸説あります。
冷たい風などは日本でも冬になると北風が吹き込んできたりしますよね。
裏鬼門の南西には世界地図を見ると、ゴビ砂漠などの砂漠エリアが広がっていたりして、熱い空気がそちらの南西から吹き込んでいました。
また今でもそうですが西日が強いとその部屋だけ暑くなったりしますよね。
この当時の環境が鬼門、裏鬼門の考えのベースとなっていると言われています。
では、なぜそこに水回りを置いたらいけないのかと言いますと、当時はもちろんキッチンや冷蔵庫、水洗トイレも無く、食品の保管も氷とかも殆どない時代なのでそのまま日陰に置いたりしていたでしょう。
トイレも水洗では無いので汲み取り式やトイレ用の箱にしてそのままだったでしょう。
そうすると、南西や北東にトイレを置いておくと臭いが建物内に広がってしまったり、ハエやウジが発生したりと衛生的に良く無いですし、病気になりやすかったりするのでそういった事を考えられて作られました。
キッチンも昔は冷蔵庫が無く食材の保存はとても大変だったと思います。
西日の強い所にキッチンがあると、遮熱や断熱が出来ない建物なのでその空間が西日によってとても熱せられて熱がこもり食材の傷むのが早くなってしまいます。
このような時代背景があったので「鬼門」「裏鬼門」という考えが生まれました。
大昔の当時はとても理にかなっていた生活の知恵ですが現在は冷蔵庫もあり、トイレも水洗になったので衛生面では気にすることも無くなりました。
では、家相を気にせず家を建てて良いのかどうかということになります。
答えはYESです。
しかし、家を買うと言う人生で一番大きな買い物です。ご両親様からもある程度資金の援助があるかもしれません。
またご自身はサラリーマンをしていて、ご両親や近しい親戚の人が自営業の人とかは要注意です。
お金が出れば口も出る
ご両親から資金援助がある場合は必ず間取りとかも見てもらい、間取りの打ち合わせをする前に、ご両親に鬼門や裏鬼門など家相を気にした方が良いのか相談して下さい。
ご夫婦で打ち合わせを重ねて、納得のプランが出来上がってもご両親がそのプランを見て、「家相が良く無いからこの間取りはダメだ」と言われ、挙句の果てに「そのプランで家を建てるなら資金援助はしない!!」と言う話になってしまうとせっかくの楽しい家づくりが楽しくありません。
親心として、家相を気にしないと何か問題があったら困るからと、心配でそういったアドバイスをされる人もいます。
お金が出たら必ず口も出ると思っておいて、その都度打ち合わせの進捗を話したり、相談して「報告」「連絡」「相談」をしてください。
後で記載しますが、家相を気にしすぎると生活しやすい間取りが出来なかったりするので、そういった面から説明しても良いかも知れません。
家相は気にはするが、そうすると間取りができなくて生活しづらい間取りになってしまう事を説明したら、ご両親も納得するかもしれません。
また、ご商売されてる人は縁起を担いだりする人が多いです。
年配の自営業のお客さんのほとんどが家相を気にされていたので、そういった人には家相を気にした間取りをご提案したりもしました。
その為近しい親戚やご両親がご商売されている人がいれば相談してみるのも良いですね。
植物を植えて避ける方法
どうしても鬼門に水回りが来る方が、家事動線もラクで採用したいのに両親はダメだと言う場合は、その鬼門の所に植物のナンテンを植えると、南に転ずると言う意味合いを持たせて鬼門でも南とみなして問題なと言う捉え方も出来ます。
こういった捉え方も出来るので、ご両親にはそのようなナンテンを植えるから大丈夫と説明してみても良いですね。
そのようなナンテンを植えると問題ないとすると言うことも、家相のことについて調べると書かれていることが多いので、そういった記事も見せながら説明するのも良いです。
家相を気にしすぎると間取りが出来ない!
間取りを作る上でまずはその土地の形状がとても大切になります。
細長い土地や台形の土地、真四角の土地など様々です。また道路がどちらについているかである程度玄関の位置も決まってきます。
例えば道路が北側についている土地で間取りを考えるとなると、一般的には道路に面した北側に玄関が来ますよね。
しかし、家相を気にすると南東に玄関があれば、辰巳の方角に玄関があれば良しとされているのでそちらに玄関を持って来るとしましょう。
お客さんが来ても、ワザワザ建物の横を通って南に回って玄関から入るとなると面倒くさいですよね。
毎日お買い物から帰ってきて、両手にスーパーの袋を抱えて重い荷物をもって南まで遠回りをして、玄関から入る生活がこれからずっと続くとゾッとします。
高齢になった時なんかは、玄関が遠いために雨の日に滑って転んで骨折したとかなったら、家相を気にして家を建てたにも関わらず、家相に振り回されて怪我するとか本末転倒です。
同じように、鬼門や裏鬼門に水回りが来るから間取りがゴチャゴチャになったりする場合もあるので、家相を気にしすぎて間取りを作ると、逆に生活しにくくてストレスになってしまいます。
それでも家相が気になると言う人は、使いやすい間取りや家事動線は物理的に無理なことも出て来るので、その時は家相を気にした使い勝手が悪い間取りでも納得するしかありません。
家相にハマりすぎ注意!
人によっては家相なんて言葉も知らない人が、周りの友人知人から家相のことを言われて気になり始めて、自分で色々と調べ出すうちにドンドンとハマっていき家相が頭の中心に来る人も中にはいます。
良く鬼門に関しても、トイレとかお風呂の設備が当たってなかったら良いよと軽く言われる方もおられますが、どっぷりハマってしまうとトイレの空間全部がダメになってしまったりします。
しかも、間取りを1つずつ家相の本と照らし合わせて、みたいな事になりかねませんのであまり気にせずにそう言ったものがあるんだな程度で考えておいた方が良いでしょう。
家相から派生して土地の形なども言う人がごく稀に出てきますが、都市部とかは土地も充分な広さが無いですし、形もいびつだったり細長い土地が多いです。
そうなってくると土地買う為に県外まで出ないと行けなかったり、県外に出ると自分たちが住んでいる所からどちらの方角の方が吉なのでそっちの方で土地を探す。とかなるともう取り返しがつかなくなりますよね・・・。
以上のように、家相は大昔の人が当時理にかなった考えで作られたものが現代にもまだ残っていると言う事を踏まえて、家相のことを考えたらイイのではないでしょうか。